釧路地裁帯広支部(野原俊郎裁判長)で23日開かれた振り込め詐欺集団の主犯格の公判で、「ノルマは月1000万円、成績はグラフで競争」など営業マンさながらの「成果主義」による管理ぶりが明らかになった。
詐欺と組織犯罪処罰法違反の罪に問われた、住所不定、無職水沢崇被告(26)の初公判で検察側が明らかにしたもので、「卑劣さが目に余る」などとして、水沢被告に懲役10年を求刑した。
グループは電話役や通帳の入手役、口座に振り込ませた現金の引き出し役などを細かく役割分担。担当間では直接接触させず、互いの氏名も隠すなど二重三重の発覚防止策を講じた。さらに電話役には、だます内容の「ネタ作り」報告書の提出を求めたほか、月1000万円のノルマを課し、個々の“成績”を示すグラフを作り、競争心をあおっていた。
被告人質問で水沢被告は、「全部で数千万円ぐらいだまし取り、うち1000万円ぐらいを手にした」と供述した。