第2東京弁護士会所属の土谷明弁護士(69)が、依頼者約300人から預かった計約1億5000万円の返済ができなくなったとして、来月にも東京地裁に自己破産を申し立て、弁護士を廃業することが16日、分かった。
土谷弁護士の代理人によると、土谷弁護士は所有する不動産などを処分しても数千万円しか返済できないとしており、先月下旬、依頼者に対し自己破産することを書面で通知した。弁護士の破産申し立ては異例という。
関係者によると、土谷弁護士は、多重債務者から債務整理の依頼を受け、消費者金融への返済資金などを預かっていた。しかし、今年に入り、同弁護士会に「破産する恐れがある」などと相談し、3月に弁護士業務を実質的に停止した。
相談を受けた同弁護士会は、同会所属の弁護士を代理人につけ、被害を受けた依頼者や被害額の把握を急いでいる。代理人の弁護士は、「土谷弁護士が支払い不能となった原因は調査中。被害者に対しては破産手続きに従って公平な配当を行いたい」と話している。