衛生陶器業界2位のINAXは17日、85年以降、同社の温水洗浄便座で発煙・発火事故が計8件起きていたことを明らかにした。いずれも経産省には届けたが、7件については「原因が特定できていない」として公表していなかった。
INAXによると、無料の点検・回収は85年、電線と基板をつなぐコネクター部分に尿がかかると、劣化して発火する「トラッキング現象」が起きた約3万台を対象に実施した。
このほかの機種名は明らかにしていないが、製品評価技術基盤機構の資料によると、05年12月には、88年ごろにアイシン精機が製造、INAXが販売した温水洗浄便座が焼けた。両社の調査では、便座開閉の繰り返しで半ば断線したリード線から火花が散り、周辺の樹脂に着火したとみられる。ただ、経年劣化の可能性が高く、既に生産を終了していることなどから、公表しなかったという。
INAXは「事故は特定の機種に集中しておらず、製品に起因しているとは考えにくい。機種名を公表すると消費者を混乱させる」として、現段階で公表する考えはないという。
http://www.asahi.com/national/update/0417/NGY200704170016.html