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2007年04月14日(土) 08時02分

投資リスク説明、プロには簡略化 金融庁が認定制度朝日新聞

 金融庁は13日、幅広い金融商品を横断的に規制する金融商品取引法(旧証券取引法)の完全施行を9月と決め、具体的な運用ルールにあたる政令案などを公表した。元本割れリスクのある商品を売る際の説明義務の拡大や、ファンドの登録制など投資家保護を大幅に強化。一方で、契約前の投資リスクの説明を簡略化できる「プロ投資家」制度を設けて、市場取引の活性化にも配慮する。

 プロ投資家の対象は、頻繁に売買する機関投資家や上場企業など。個人と同じ規制を適用すると事務が煩雑になり、機関投資家が日本市場から逃げ出すと懸念する声が出ていた。

 個人の場合、取引歴1年以上で投資資産3億円以上などの条件を満たす人が業者に申し出れば、プロ扱いを受けられる。基準が金融資産50万ユーロ(約8000万円)以上の欧州、純資産100万ドル(約1億2000万円)以上の米国より厳しく、適用は原則1年ごとに見直す。医療法人や学校法人、信用組合などは希望すればプロ扱いを受けられる。また、自治体や企業などは希望すればプロ扱いを除外される。

 金融商取法は06年6月に成立。市場操作など不公正取引に対する罰則の強化と、株式公開買い付け(TOB)制度や大量保有報告制度の改正は、すでに導入されている。

http://www.asahi.com/politics/update/0414/TKY200704130399.html