富山市の設計事務所「田村水落設計」が構造計算した「アパ」グループのホテルなどで耐震強度不足が見つかった問題で、新潟県三条市の分譲マンション2棟も、耐震強度が85%にとどまっていることが11日、同市の調査でわかった。
強度不足が見つかったのは、2004年10月に完成した「アパガーデンズ東三条ウエストコート」(9階建て49戸)と、隣接して建設中の「同イーストコート」(同)。耐震強度85%は、震度6強以上の地震が発生した場合、倒壊の危険がある。このため、同市は、補強工事を要請する方針。ただ、アパ側が強度不足を認めず、応じない場合は、建築基準法に基づき、是正勧告する。アパ側は「現時点でコメントは差し控えたい」としている。
ウエストコートについては、大半が入居しているため、同市は11日夜、住民説明会を開き、今後の対応を協議。同グループのマンションを巡っては今年3月、埼玉県鶴ヶ島市に建設中の物件で耐震強度不足が判明したが、入居済みの物件で発覚したのは初めて。
イーストコートも現在、6戸が契約済みだが、市が調査に入ったことを受け、今年2月から工事を中断している。
国土交通省は昨年6月、田村水落設計が関与した全国42物件について各自治体に調査を要請。三条市が対象2棟の構造を再計算した。