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2007年04月11日(水) 06時30分

アイピーモバイル、携帯参入を継続 森トラストが“応援”朝日新聞

 携帯電話への新規参入を断念する見通しとなっていた通信ベンチャーのアイピーモバイルは10日、不動産開発の森トラストの資本参加を得て、引き続き参入をめざすと発表した。筆頭株主のコンサルティング会社、マルチメディア総合研究所(東京)の保有株式全株を森トラストが譲り受けることで基本合意した。

筆頭株主の交代について説明するアイピーモバイルの杉村五男社長=10日午後、東京都千代田区の都道府県会館で 

 株式譲渡により、森トラストは全株式の69.23%を握る筆頭株主となる。役員も派遣する方針だ。譲渡金額は明らかにしていない。

 今春の事業開始を目指してきたアイピーモバイルは、資金調達が難航し、参入断念が危ぶまれる状況が続いていた。同社によると、3月中旬ごろから森トラストと協議を始め、9日に株式譲渡の合意に至ったという。すでに06年10月に参入する方針を今春まで延期しており、ぎりぎりの局面で「救世主」が現れた形となった。

 森トラストは不動産業やホテル業と並んで、投資業を中核事業の一つにしているが、通信会社への出資は初めて。短期的な売却益を狙うのではなく、「アイピーモバイルの技術力を評価し、高速データ通信事業の将来性を見込んで投資する」(広報室)と説明している。

 参入断念の見通しから一転、引き続き事業開始をめざす方針となったが、その時期や詳しい内容は不透明なままだ。アイピーモバイルの杉村五男社長は10日の会見で、「森トラストと早急に協議を進め、近く発表したい」と述べるにとどまった。事業を展開するには少なくとも600億円の資金が必要だというが、資金調達をどう進めるかも明らかにしなかった。森トラストが追加増資に応じるかどうかは現時点では未定だという。

 新たな周波数の割り当てを受けてから2年以内に事業を始める必要があり、タイムリミットは今年11月。総務省は当面、新たな株主の下でどんな事業計画がまとまるかを見守る方針だ。

http://www.asahi.com/business/update/0411/TKY200704100385.html