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2007年04月10日(火) 12時30分

海賊版DVDやCD、知財侵害と米が中国をWTO提訴読売新聞

 【ワシントン=矢田俊彦】米政府は9日、映画や音楽の海賊版のDVDやCDが横行するなど中国の知的財産権の保護が不十分だとして、世界貿易機関(WTO)に10日付で提訴すると発表した。

 知的財産権に関する対中WTO提訴は初めて。日本や欧州連合(EU)なども第三国(オブザーバー)として参加することを検討しており、日米欧で中国に改革を迫る方針だ。

 アメリカの対中WTO提訴は鉄鋼への不当な補助金など5件目だ。

 米通商代表部(USTR)によると、WTOの知的財産権保護協定(TRIPS)は、模倣品の製造・販売業者が摘発された場合、業者に刑事罰を科すように加盟国に義務づけている。

 しかし、中国は、国内で海賊版DVDなどが発見されても、その数が500枚未満なら刑事罰の対象にならないなど規定が甘い。中国で流通するアメリカ製の映画や音楽のDVDやCDは9割が海賊版とされ、「中国による著作権侵害の損失は年30億ドル」(サンダー・レビン下院議員)とされる。このため、アメリカは中国に対して、法制度を充実させ、知的財産権の侵害を厳罰化するよう求める。

 アメリカは同時に、本や映画、ビデオなどの貿易障壁の問題でも中国をWTO提訴する。

 外国企業が本やビデオ、映画などを中国に輸出する際、中国国内の流通に関して中国政府は、国有企業や外資との合弁企業に独占的な権利を与え、外国企業の本格参入を不当に制限している、とアメリカは指摘している。

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20070410it04.htm