2007年04月07日(土) 08時32分
統一地方選、前半戦があす投票 経済効果1586億円(フジサンケイ ビジネスアイ)
統一地方選の第1陣となる13都道県知事選などの投票が8日、行われる。ポスターやチラシなど多額の費用がかかる選挙。国政選挙に比べ1人当たりの費用は小さいが、人数が多いだけに、経済波及効果への期待も大きい。最大の焦点の東京都知事選では、オリンピック誘致や中央卸売市場築地市場の移転などのビッグプロジェクトのほか、「新銀行東京」の今後の扱いが争点となっており、経済界も選挙の行方に高い関心を示している。
統一地方選挙による経済波及効果について、第一生命経済研究所の永浜利広主任エコノミストは、1586億円に達すると推計している。
内訳は、人件費や印刷費など立候補者の選挙費用が約210億円、自治体の支出が約769億円、関連業界への波及効果が約609億円。
選挙費用では、4年前の統一地方選では、候補者1人当たり平均約500万円。市町村合併により全国的に議員数が減るだけに、立候補者数が前回選と同程度になるかは未知数だが、費用、立候補者数とも前回並みと仮定した。
永浜氏は、「国政選挙の立候補者1人当たりの選挙運動費用は平均1200万円程度と地方選挙と比べて高額だが、統一地方選は立候補者数が多いだけに総額では国政選挙以上の出費となる」とし、選挙費用は、昨年の衆院選挙の約136億円を大きく上回るとみている。
自治体の支出では、合併効果により、投票所の設置や運営費用などが前回より減りそうだが、一方で、合併した地方自治体が、今回の統一地方選を機に開票作業に新たなシステムを導入する動きもある。
実際、選挙機器などを扱うムサシ(東京都中央区)では、夏の参院選と合わせ30億円近い売り上げを期待している。
直接的な支出以外にも、関連産業への波及効果も大きい。机やイス、コピー機、電話など事務所で使う道具を貸し出すレンタル業のほか、投開票日のマスコミの出口調査で人材派遣業も恩恵を受けるとみられる。
永浜氏は、「景気回復が進んでいることもあり、ここ数年の選挙よりも出費が増えるのではないか」と、波及効果のさらなる拡大も予測している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070407-00000000-fsi-bus_all