【アスンシオン=中島慎一郎】南米パラグアイで、現地の土地管理会社「ビクトリア」を経営する太田洪量(ひろかず)さん(62)と、秘書の山口佐和子さん(37)が誘拐された事件について、関係者は3日、犯人グループが、身代金要求を従来の15万ドルから2倍の30万ドル(約3600万円)に引き上げたことを明らかにした。
同社の幹部が犯人との交渉にあたっている。
山口さんの夫、一憲(かずのり)さん(38)は、首都アスンシオン市内の自宅で、「早く無事に帰ってきて欲しい」と苦しい胸中を訴えた。
一憲さんは事件が起きた1日夜、会社からの電話で佐和子さんが事件に巻き込まれたことを知った。最初は、「冗談であって欲しいと思った」という。ほとんど眠れず、「今何をしているのか、食事は取れているのか」と佐和子さんらの境遇を案じている。
太田さんと佐和子さんは同日、ブラジル国境に近いシウダデルエステで開かれた世界基督教統一神霊協会(統一教会)の集会に参加し、佐和子さんは太田さんの運転手を務めていたという。