県内で振り込め詐欺の被害が急増している。県警捜査2課によると、3月の被害の認知件数は前月の4件から大幅に増えて15件。被害額も5倍超の約2000万円にのぼっている。被害件数の8割は、融資を受ける際の保証金の名目でだまし取る「融資保証金詐欺」だ。
同課によると、県内の被害件数は、1月は1件(被害額約20万円)、2月は4件(同約380万円)だったが、3月に入って15件(同約2000万円)と急増した。
融資保証金詐欺は、「信用度を確かめるため、大手消費者金融から借り入れして送金して下さい」などといって金をだまし取る手口だ。1〜3月の計20件の被害のうち、8割にあたる16件が、融資保証金詐欺の被害だ。捜査2課は、依然として厳しい県内景気情勢につけ込んだ悪質な手口とみて警戒を強めている。
また、振り込み方法として〈1〉郵送や宅配便で現金を送らせる〈2〉複数回にわたって振り込ませる——という手口が目立っているのも、今年に入ってからの特徴だ。これは、今年1月から、金融機関の現金自動預け払い機(ATM)で1回に振り込める現金の上限が10万円になったためとみられる。
八戸市では2月上旬、工務店従業員の男性(44)がだまされて約49万円を郵送。また、十和田市内の農業男性(68)も計43万円を11回にわたって都内の銀行口座に振り込んでいた。
同課は、「不用意に相手の要求に応じず、家族や警察に相談してほしい」と注意を呼び掛けている。