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2007年04月03日(火) 03時02分

NTT東、家電量販店の常駐販売員巡り偽装請負の疑い読売新聞

 NTT東日本が、インターネット接続サービス販売のために家電量販店に常駐させている販売員「ヘルパー」を巡り、労働者派遣法に違反する偽装請負の疑いがあったと、今年になって契約内容を見直したことが2日、わかった。

 人材派遣会社と請負契約を結んでヘルパーを確保していたが、実態は労働者派遣にあたるケースがあったという。

 ヘルパーを巡っては直接、契約関係のない量販店が指示・命令する職業安定法違反の問題が発覚したが、送り込む側の企業と派遣会社との契約に絡む違法性が明らかになったのは初めて。

 NTT東日本によると、関東、甲信越、東北、北海道の全17支店が2003年以降、同社のインターネット接続サービス「Bフレッツ」の販売を、複数の派遣会社に請負契約で委託。派遣会社は、NTT東日本から請負場所に指定された家電量販店最大手のヤマダ電機など10社以上の店舗で、自社が雇用したヘルパーらを常駐させ、来店客に説明や勧誘をさせていた。

 請負契約の場合、労働者の人数など具体的な業務体制については、業務を請け負った側(派遣会社)に裁量権があり、委託した側(NTT東日本)から指示できない。ところが、NTT東日本の17支店のうち16支店は派遣会社との契約書などで、各店舗での配置人数などを詳細に指示。派遣会社に支払う請負代金についても、定額でなくてはならないのに、派遣契約のように、ヘルパーの実労働時間に応じて増減させていた。

 社内調査で問題が発覚。今年1月、1支店で派遣契約に切り替え、他の15支店は請負契約内容を見直し、代金も定額にするなどして是正したという。

 厚生労働省によると、偽装請負の背景には一般的に、派遣契約では派遣先企業に労働者の管理責任が及ぶため、責任を回避する目的があるという。

 NTT東日本広報室の話「関係法令の理解が十分ではなく、反省している。販売員(ヘルパー)の人数や就労店舗数は営業上の秘密だが、今後も、社内指導を徹底したい」

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070403i301.htm