ロイター通信などによると、ボリビア東部の同国最大の都市サンタクルスなどの空港で計1500人の乗客が、ロイド・ボリビアーノ航空のマドリード便の運航中止に抗議している。多くが出稼ぎ目的とみられる。
主婦のダリアさん(48)は地元紙「ラソン」に「やっと稼いだ1万1000ドルを家族6人分のチケット代に払った。どうしてくれるの」と怒りをぶちまけた。26日に出発するはずの便は延期に。運航再開を願って空港で寝泊まりしてきたが、結局中止されたという。
マドリードのバラハス国際空港にも、家族を待つボリビア人が集まっている。同空港には、ブラジルなど周辺国を経由した人も含め、毎日1500人近くのボリビア人が到着しているという。
スペインの1人あたりの国民総所得は約2万5000ドルで、ボリビアの約1000ドルの25倍。ビザの義務化は、移民規制のため欧州議会が決めた。
ボリビア駐在のスペイン大使はロイター通信に対し、同国に暮らすボリビア人は不法滞在を含めて現在約30万人いる、と話した。2年前と比べると20倍近くにふくれあがったという。
マドリードへの直行便ができたのが主な理由で、言葉が通じて高い収入が見込めるスペインが「欧州の扉」として、それまでの主な出稼ぎ先だったブラジルや米国に取って代わった。