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2007年03月31日(土) 00時00分

県議選告示 統一選スタート朝日新聞

 県議会議員選挙(定数58)が30日告示され、80人が立候補を届け出た。23選挙区のうち、二本松市や須賀川市など9選挙区は無投票となり、12人が当選した。残る46議席を68人の候補者で争うことになる。佐藤雄平知事が誕生して初めての県議選で、結果次第では県議会の勢力図が塗り替えられ、今後の県政運営を左右する可能性もある。投開票は8日に行われる。

 立候補の受け付けは30日午前8時半から、県庁東分庁舎や役場など県内16カ所で始まった。

 郡山市(定数9)には10人が立候補した。同日朝、同市役所で行われた届け出には、10陣営約25人が参加。緊張した面持ちで臨み、抽選で届け出順位が決まると、選挙運動用の腕章やのぼり旗など「選挙の七つ道具」を受け取り、出陣式に向かった。ある陣営の出席者は「いよいよという感じ。あとは有権者にお願いするだけ」と語った。「郡山対決」となる参院補選も控えていることから、市内の選挙ムードは一気に高まった。

 今回の立候補者数は80人。史上最低だった前回より2人増えたが、過去2番目の少なさだ。党派別の公認・推薦では、自民党が最も多く、36人を公認し、1人を推薦、1人に党籍証明を発行した。民主党は12人を公認、9人を推薦。社民党は4人を公認、民主と同じ6人を推薦する。公明党は3人、共産党は6人を公認した。

 候補者の顔ぶれを見ると、「政治の素人」からの挑戦は多くない。市町村議の経験者が80人中45人と約6割を占めた。新顔に限れば、25人中20人が議員経験者だ。ほかにも、国会議員秘書や政党役職員などがいる。女性候補者は10人で、前回より3人ふえた。共産党は公認6人のうち4人が女性候補となった。

 今回、前回より一つ少ない9選挙区(二本松市、須賀川市、喜多方市、田村郡、岩瀬郡、耶麻郡、河沼郡、大沼郡、相馬郡)で無投票となった。無投票になった選挙区の有権者数は32万人を超え、全有権者の5人に1人は、投票による意思表示の機会がなかったことになる。

 喜多方市は、3期連続の無投票となった。4選を果たした自民公認の遠藤忠一氏(59)は「選ぶ余地がなくなったのではなく、私1人に任せてもらったと思って身を引き締めたい」と話した。選挙期間中は、他の自民党候補者の応援に県内全域を回るという。

 田村郡では自民公認の渡辺広迪氏(60)と民主・社民推薦の安瀬全孝氏(56)が2回連続で無投票当選した。渡辺氏は「政策を闘わせてどれだけ票を集められるかみたいという思いもあった」。無投票の背景について「県政の政治不信が募って、政治家に魅力を感じないという世情もあるのでは」と話していた。

 耶麻郡でも自民公認の小檜山善継氏(60)、民主・社民推薦の瓜生信一郎氏(58)の2人のすみ分けが成立しており、3回連続で無投票。瓜生陣営の幹部は「県政汚職後の県議会のあり方を問う選挙で、マニフェストも比べないままで選ばれるのはうまくないな」と漏らした。

http://mytown.asahi.com/fukushima/news.php?k_id=07000000703310003