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2007年03月31日(土) 00時00分

53議席の85人届け出/県議選告示朝日新聞

 統一地方選の前半戦となる県議選と、政令指定市となる新潟市の市議選が30日、告示された。市町村合併が進み、定数を減らした新区割りでの初めての選挙。全市1区だった新潟市は八つの選挙区に分かれ、長岡市や上越市は郡部を取り込んで選挙区が広がった。県議選は定数53に85人が立候補。前回17選挙区が無投票だったが、今回は5に減った。新潟市議選は定数56に87人が立ち、いずれも激戦。来月8日の投開票に向け、9日間の選挙戦が始まった。

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 県議選は新区割りにより、選挙区が34から28に、定数が61から53に減った。小さくなったパイに、前回と同じ85人が立候補したため、無投票当選は前回より16人少ない6人となった。5人が立候補した三条市(定数2)や、6人が立った新潟市中央区、西区(定数各3)のような激戦区も増えた。

 届け出の党派別内訳は自民35(前回比5減)、民主11(9増)、公明1(1減)、共産5(1増)、社民5(3減)、無所属の会3(同数)、無所属25(2増)。一方、無投票で当選した候補者の内訳は、自民5、無所属1だった。

 新しい区割りで支持層の開拓が必要になることもあり、自民9人を含む現職12人が立候補を見送った。うち、公明の現職1人は新潟市議選に回った。また、自民現職2人は、選挙区を変えて立候補した。

 候補者のうち新顔は前回より7人多い35人で、世代交代が顕著になった。女性も前回より6人多い9人が立候補し、過去最多となった。

 前回、県議選の投票率は前々回より約8ポイント下がり、過去最低の58・23%だった。県選挙管理委員会は、統一地方選では初めて適用される期日前投票の利用を呼び掛ける。

 梁取(やなどり)隆委員長は「各候補者の政見や主張を見極めて、主権者としての自覚と自らの判断に基づき、棄権することなく投票するよう希望します」との談話を発表した。

■県議・市議 合計22人も/新潟市中央区

 小雨が降る新潟市役所前や新潟駅南口で、選挙カーがすれ違う。初の県議と市議の同時選となった新潟市。全8区で最小の市域に、最多の有権者を抱える同市中央区は、県議選、市議選合わせて22人が立つ乱戦となった。選挙カーが所狭しと走り回り、候補者や運動員の声が街にあふれた。

 午前8時半、県議選に立候補した桝口敏行氏は市役所前で「暮らして良かった、暮らしたいと思える新潟をつくりたい」と第一声。その後ろを、自民市議候補の選挙カーが走り抜けた。

 進直一郎氏は同時刻、選挙事務所で「市町村の広域連係と、政令指定市を結びつけなければいけない」と訴えた。次の演説場所に移動する途中、市議候補とすれ違い。「お互い頑張りましょう」とエールを送った。

 小島隆氏は古町通で第一声。出勤前の会社員を前に、「人をたくさん呼び、交流人口を増やし、新潟を活性化したい」と訴えた。志田邦男氏は事務所で決起のあいさつ。「大激戦で先が見えない。新人の1人として臨みたい」と支持者に呼びかけた。

 野本孝子氏は昼過ぎ、市役所前で「医療制度の改悪を許してはならない」と訴えた。近くの交差点を、別の県議候補の選挙カーが通り過ぎた。

 佐藤憲氏は街頭演説をしなかった。「名前の連呼をしても意味がない」と選挙カーも静かに走らせた。「皆、言う政策は同じ。それをできるか判断してほしい」

 市中央区は約36平方キロメートルで全市726平方キロメートルの20分1ほど。候補者は、県議3と市議12の枠を巡り争う。

■選挙区拡大で「手探り」/長岡市・三島郡       

 長岡市・三島郡区は、定数6に対し、7人が立候補した。旧長岡、栃尾両市と三島郡に、南蒲原郡、刈羽郡の一部も加わり、有権者数も23万4540人と県内最大。広大な選挙区に、各候補は郡部に配慮したり、政治家としての持ち味を強調したりするなど、手探り状態で選挙戦に突入した。

 佐藤信幸氏は市中心部の自宅前で「雲の中をさまようような選挙」と第一声。都市と周辺部などの格差是正を訴えの柱に据える。同じ旧長岡市が地盤の長部登氏も第一声で「先が読めない」。政策面では「格差のひずみにあえぐ人たちに光を与えなければならない」と主張、支持を求めた。

 星野伊佐夫氏も市中心部で開いた出陣式で「新選挙区では初の選挙。極めて緊張している」。都市間競争に勝ち抜くためにも地場産業の育成に全力を尽くす、と訴えた。

 繁華街で第一声の松川キヌヨ氏は、経費のかかる市役所移転を取り上げて、「街を元気にするためにやらねば」と中心市街地の活性化を訴え、都市部の有権者に狙いを絞った。竹島良子氏も駅前で「助産師の経験を生かす」と演説し、医療・福祉の充実を強調した。

 三島郡が地盤の柄沢正三氏は、同市与板町の事務所で第一声。「合併地域の政治的発言権を獲得するうえで、今回の選挙は正念場」と郡部の支持固めに奔走する。

 現職のいない中之島、小国両地域は、各候補が新たな票の獲得にしのぎを削る。西川洋吉氏は地盤の栃尾に続き、さっそく中之島でも演説。「海、山、平野部が一体となった新しいまちづくりが必要だ」と訴えた。

http://mytown.asahi.com/niigata/news.php?k_id=16000000703310004