記事登録
2007年03月31日(土) 00時00分

県議選 24年ぶり全区選挙戦  朝日新聞

  「平成の大合併」で様変わりした県のこれからの担い手を選ぶ選挙が始まった。30日告示された県議選(15選挙区、定数49)は午後5時に立候補の届け出が締め切られ、候補者は前回より1人多い計73人で確定した。無投票区はなく、24年ぶりに全選挙区で投票が行われる。各政党は7月の参院選の前哨戦と位置付け、党勢の拡大を図る。投票は一部離島を除いて4月8日で、即日開票される。

  ◆ 無党派層の動向がカギ ◆  

  萩市・阿武郡区の自民現職3人はいずれも自民推薦の無所属として立候補。民主は無所属の2人(光市区の元職、柳井市区の新顔)を推薦し、連合山口は民主公認・推薦候補を中心に11人を推薦している。

  岩国市・玖珂郡区は米軍岩国基地への空母艦載機移転の是非をはじめ、基地を巡る問題が大きな争点となる。自民4人(現職3、新顔1)のほか、民主新顔、共産元職、無所属新顔が各1人立候補した。

  熊毛郡区は中国電力が進める上関原発建設計画への対応が争点。計画推進派の自民現職と反対派の無所属現職による一騎打ちの構図だ。

  03年4月の周南市から06年3月の岩国市まで、県内は11の市町村合併により、56市町村から22市町に再編された。住民が「合併して良かった」と思えるまちづくりのあり方についても選挙戦で論じられそうだ。

  今年は統一選と参院選が重なる12年に一度の「選挙の年」。各党は参院選へ勢いをつけるためにも県議選の必勝を期す。参院選山口選挙区(改選数1)には自民、民主、共産が候補を擁立する。有権者の政党離れが進む中、無党派層の動向がカギを握る。

     ◇

  期日前投票は31日から4月7日まで市役所や町役場、公民館など県内164カ所で受け付ける。投票には投票所入場券か、免許証など身元確認ができる証明書が必要。

.................................

  ◆ 有権者の声 ◆

  防府市の洋食店主三坂利明さん(57) 官庁街で限られたコストの中で食材を工夫しながら600円の日替わりランチを出している。法務局廃止の話もあり、にぎわいの灯をこれ以上消さないようまちの未来を真剣に考える人を選びたい。

  山口市の会社員渡辺温史さん(27) ソフトボールのチャリティー大会を昨年企画した。雨で中止だったが、今後もスポーツを通じて山口の元気をPRしたい。山口は歴史と文化のイメージが強い。スポーツ振興にも力を入れる人を期待する。

  阿武町の農業野原恒雄さん(70) 今の農政は小規模農家切り捨てだ。後継者がおらず、所得が上がる見通しもない。もっと農業を保護すべきだ。北浦地域の農業にどれだけ情熱を傾けるか、インパクトが強い人に投票したい。

  山口市の会社員正木領子さん(40) 亡父の自宅介護に携わり、体力的にも経済的にも大変な思いをした。仕事と家庭の両立も女性には切実な問題。多くの候補がアピールしそうな分野だが、本当に実行してくれる人かどうかを見分けたい。

  宇部市の会社員佐々木裕子さん(33) 4歳の息子がいるので、子育て支援やいじめなど、教育問題に関心がある。防犯も心配。温暖化など環境面も深刻だ。そうした私たちの生活に身近な問題を取り上げている人を選びたいと思う。

http://mytown.asahi.com/yamaguchi/news.php?k_id=36000000703310001