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2007年03月31日(土) 23時17分

慰安婦問題で「歴史直視を」、韓国側が懸念 外相会談朝日新聞

 麻生外相は31日、韓国・済州島で宋旻淳(ソン・ミンスン)外交通商相と会談した。宋氏は「日本国内で慰安婦問題をめぐって誤った言動がみられる。歴史を直視する必要がある」と語り、慰安婦の強制性をめぐる安倍首相や下村官房副長官の発言を批判。靖国問題や教科書検定、竹島(韓国名・独島)問題にも言及し、歴史認識への強いこだわりを示した。

日韓外相会談の冒頭で握手する麻生外相(左)と宋旻淳外交通商相=韓国・済州島で31日

 両国は北朝鮮の核放棄に向けた協調を強めることを確認。03年秋以来途絶えていた日韓安保対話(局長級)を5月の中下旬に東京で開催することや、2期目のスタートが遅れている歴史共同研究の座長会合を4月中に開くことも決めた。

 靖国問題で宋氏は、旧厚生省と神社側が一体で戦没者の合祀(ごうし)基準をつくっていたことに触れ「根本的解決のためしっかり対応してほしい」と述べた。麻生氏は「だれを合祀するかという判断は、一義的には神社だ」と説明。慰安婦問題では河野官房長官談話を継承する首相の姿勢を伝え、「政府の立場に何ら変更はない」と理解を求めた。

 麻生氏は、韓国で開かれるアジア協力対話(ACD)に合わせ、日中韓の外相が6月3日、済州島で会談する見通しを報道陣に示した。

http://www.asahi.com/politics/update/0331/003.html