注目の質問書は同年6月2日付で、東京ガスから福永正通副知事(当時)に提出されていた。
A4用紙5ページにわたる詳細なもので、同社は「築地市場の豊洲移転は基本的に受け入れ難い」「豊洲用地は工場跡地であり、土壌処理や地中埋設物の撤去が必要」「(土壌処理には)大変な改善費用を要することになる」などと記されていた。
手狭で老朽化が目立つ築地市場を刷新するため、都は01年に江東区・豊洲地区にある東京ガスの工場跡地への移転を決定。築地市場の跡地には、石原慎太郎知事(74)が招致運動を続けている16年オリンピックの「メディアセンター」建設を計画している。
しかし、豊洲地区からは、環境基準値の1500倍というベンゼンをはじめ、490倍というシアン、49倍というヒ素、24倍という水銀、14倍という六価クロム、9.3倍の鉛など、数多くの有害物質が検出された。
このため、築地市場の水産仲卸業者(約800業者)のうち約210業者が「市場を考える会」を立ち上げ、「豊洲の土壌汚染は尋常ではない。そんな場所に食品市場を移転すれば、1200万都民の『食の安全』は守れない」(山崎治雄代表)と反対運動を続けている。
都は地盤面から4.5メートル下までの土壌汚染を基準値以下に処理し、30−40センチのアスファルトで覆うというが、「有害物質の中には揮発性のあるものもある。都の対策では不十分」(山崎氏)、「豊洲地区は埋め立て地。首都直下型地震があれば『液状化』を起こしやすい」(日本環境学会の坂巻幸雄副会長)などと危険性を指摘する声もある。
石原知事は当初、「他に適当な土地はない」と移転強行の立場だったが、前宮城県知事の浅野史郎氏(59)ら都知事選の他の主要候補が「移転反対」を掲げたため、「土壌汚染の再調査が必要かどうか改めて検討する」と軌道修正している。
▼東京都知事選立候補者山口節生57不動産鑑定士諸新吉田万三59元足立区長無新(共)外山恒一36路上演奏家無新石原慎太郎74知事無現浅野史郎59元宮城県知事無新黒川紀章73建築家諸新ドクター・中松78発明家無新高橋満61運転手無新佐々木崇徳64元警察官無新桜金造50タレント無新高島龍峰71易学者無新内川久美子49風水研究家無新鞠子公一郎33元会社員無新雄上統65作家無新(届け出順)
ZAKZAK 2007/03/30