●負担軽い介護ベッド試作〜蟹江の男性〜
病気や重い障害のある人を抱えて持ち上げ、移動させるのは、介護する人にとって大変な労力が要る。介護で苦労した自らの体験を基に、元設計技術者の杉本国太郎さん(76)=蟹江町=が、ベッドに寝ている人を簡単に移動させることができる介護ベッドを考案し、このほど試作品が完成した。(松崎祐子)
ベッドはアルミ製。スイッチ操作一つでベルトがコンベヤーのように横に動き、ベッド上に寝ている人を、水平にした車いすに移すことができる。体を起こす介護ベッドは広く普及しているが、寝たままで横に移動できるのが特徴だ。
ベルトには薄い布団が巻き付けられており、寝心地は悪くはない。床ずれ防止のために寝返りをさせる時にも使えるという。材料、加工費などしめて約30万円だが、台数が増えれば半額ぐらいには抑えられるという。
杉本さんは、定年退職する前は設備機械などの設計をする技術者だった。5年ほど前、転倒し入院した妻をベッドから持ち上げようとしたところ、腰を痛めた。「大変とは聞いていたが、これほどだったとは」と思ったという。
それ以来、楽にベッドから車いすに移動させる道具はないかと考え、ベッドにベルトを使うことを思いついた。試作品は金属の加工や溶接を知り合いの業者に頼んだほかは手作りした。
杉本さんは「専門の看護師さんでも病気や障害のある人を移動させようとする時には腰を痛めると聞く。ましてや高齢で介護する人は大変。少しでもお役にたてれば」と話している。
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