「また、加護さんと一緒にやりたい気持ちはありますか?」。笑顔を見せ続けていた辻の表情が、その質問を受けた直後だけ戸惑いの色に変わった。26日、大親友でライバルでもあった加護が、2度にわたる喫煙で事務所を解雇された。
昨年2月に加護の不祥事が発覚した際には「本当にご迷惑をお掛けしました」とファンに謝罪した。報道陣から今回と同じ質問をされると「はい。また一緒に頑張りたいです」とエールを送っていた。
だが、前回の謹慎とは違い今回の処分は解雇。事実上の芸能界追放処分だけに、辻が受け止めた重さも大きかった。どんな言葉を発していいのか…。言葉を失ったまま、うなずくことはできなかった。
今年1月23日から毎日事務所に通い、お茶くみや事務の仕事を手伝いながら、復帰のタイミングを計っていた加護を辻は温かく見守っていた。復帰は5月に行われる吉沢ひとみのモー娘卒業公演か、来年2月の加護の20歳誕生日のいずれかが検討されていた。モー娘結成10周年という節目の年に、再び同じステージに立てる日を待っていた。先月7日、加護の誕生日に事務所を訪れ、祝福した。そのときに誓った「Wの再起」も、解雇処分で幻になった。
双子みたいに仲良しで、見た目も似ていることから名付けられたW(ダブルユー)。その象徴だった2人でVサインを合わせるWポーズは、もう見ることができない。Wの悲劇だ。
http://www.asahi.com/culture/news_entertainment/NIK200703300009.html