両社は当初、「今後2年間をめどに事業統合について協議を行う」とし、経営統合を目指す考えを表明していた。しかし、「ビックカメラがエディオン傘下に入る」などと報道されたことに、ビック経営陣から「私たちの考えと違う形で受け止められた」(社長室)と不満が噴出。このためビックは今月に入って協議の中止を申し入れ、エディオンも「不安があるなら、白紙に戻す」(経営企画室)ことを了承したという。経営統合について両社は現時点で、「今後も話し合うことはない」としている。
合意した3%の株式持ち合いは続ける。また役員の相互派遣も予定通り実施し、共同仕入れなど業務提携について30日に「業務提携委員会」を発足し、検討を進める。
ビックは「これまでの協議の中で、業務提携だけでやっていくのがベストと判断した」としている。だが、家電メーカーと量販店の取引では「40%以上の資本関係がないと共同仕入れで価格を割り引くことはない」(大手家電)のが常識。仕入れ価格を引き下げ、いかに低価格を実現するかが競争力に直結する家電量販店業界で、経営統合なしで激しい競争を勝ち抜く効果を出せるのか、疑問の声が出ている。