楽天は05年10月、TBS株を大量保有して経営統合を迫ったが、TBSの強い反発にあい、資本・業務提携交渉に切り替えた。だが株式売却を求めるTBSとの間で調整がつかず、現在まで具体的な交渉の成果を得られていない。
一方でTBSは先月、20%超の同社株式を保有する敵対的買収者に対抗する防衛策導入を発表し、6月の株主総会で諮る意向だ。防衛策は19%超の株を持つ楽天の動きを封じる色彩の濃い内容となっている。
TBSは、安定株主が6割に達するとされる。株主総会で防衛策導入が可決されれば、楽天にとっては交渉に大きな制約となる。このため、買い増しでTBSの動きを牽制(けんせい)する狙いもあるとみられる。