魚の干物も「レンジでチン」の時代に−。日本の伝統食・干物が自宅で簡単に調理できるようになってきた。「部屋に煙がこもる」「においがきつい」など、都市部に住む現代人の悩みをあっさり解決。生産者は手軽さを武器に、ブーム到来を期待する。
干物は塩水のみを使ってつくるが、最近は健康志向を追い風に「ヘルシー食品のイメージ」(同組合)が定着。人気も根強いという。
しかし、調理時の煙などがネックになっていた。そこで三重県の紀北町商工会などはおよそ2年前、電子レンジで調理できる干物の開発に着手した。今春、トレーに1匹ずつパックした新商品が完成。わずか90秒ほどで焼き魚に近い味が楽しめるという。1匹200−400円の価格で「夏までには販売を始める」(同商工会)予定だ。
調理不要の干物も商品化された。日本水産は昨春、単身赴任の会社員らをターゲットに、酒のつまみとしてアジやホッケの干物缶詰をコンビニエンスストア向けに発売した。
保存食として大正時代から本格的な生産が始まったとされる干物。生産者は「時代に合った製品を作って多くの人に干物を味わってもらいたい」と意気込んでいる。
ZAKZAK 2007/03/29