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2007年03月29日(木) 13時51分

<都知事選>主要5候補川柳でPR 万能川柳の仲畑さん講評毎日新聞

 22日告示された東京都知事選は、来月8日の投開票日に向けて候補者たちの舌戦が繰り広げられている。政策や人柄、熱意を簡潔に分かりやすく伝えるのも、候補者の力量の一つ。毎日新聞は主要5候補に川柳の作句を依頼した。お題は「有権者に自己PRして下さい」。五七五という究極の短文で、思いをどう伝えるか。それぞれの作品を、本紙の「万能川柳」で選者を務める仲畑貴志さん(59)の講評とともに紹介する。【夫彰子】
 「税金は庶民のくらしにドラえもん」=吉田万三氏(59)
 講評 今回出された5句の中では、最も論点が明快でした。川柳ならではの批評性を持って、現知事に対する異論を分かりやすく語っています。地方に限らず中央政界にも見られるさまざまな腐敗にうんざりする有権者の気分の代弁です。
 「東京を再起動するかフリーズか」=石原慎太郎氏(74)
 講評 「再起動」か「フリーズ」かという特定のライバルを意識した表現です。対抗表現も良いのですが、今や生活者は、政治家の行動と成果しか見ていない。(一般に政治家は)メディアを通じた意見の表明も、ただ語るだけや、虚言が多すぎたからです。
 「みなさんと創(つく)り直そう東京を」=浅野史郎氏(59)
 講評 川柳というよりスローガンですね。スローガンは、もはや心を奪う力を持たない。なぜなら、そこで使われる言葉が大きすぎ、実体が見えないから。市井の気持ち、日常生活に根ざした身の丈の言葉で訴えたほうがよいでしょう。
 「下町の復活夢見るナポレオン」=黒川紀章氏(73)
 講評 自らの身を低くして好感を得ようとする表現。転校生が新たなクラスメートに受け入れてもらうため、わざとひょうきんを装ったり、バカをやったりするのと同じ。その戦略は買いますが、「下町のナポレオン」というのが、どーも。
 「スマートで目先が利いて几帳面(きちょうめん)(負けじ魂ドクター・中松)」=ドクター中松氏(78)
 講評 自分で自分を褒めてはいけません。評価は自分でするものではなく、言動の結果、他人や世間がするものです。従って効果は全くないでしょう。
 しかし、今回の5句の中で五七五に収まっていたのは浅野氏と中松氏だけでした。
   ◇
 今年は川柳発祥250年の節目。有権者にとっては、250年とはいかないまでも、「せめて4年、誰に託そう都知事選」というところか。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070329-00000066-mai-pol