最高裁によると統計が残る78年以降、死刑求刑で一・二審とも無罪が言い渡された刑事裁判が確定するのは初めて。
一審で検察側は、松江被告が87年〜89年、女性3人を車の中で首を絞めて殺害したと主張。物証が乏しい中、犯行を自白したとされる上申書を柱に目撃情報などの状況証拠で有罪を立証しようとしたが、佐賀地裁は05年5月、「被告が犯人だと積極的に推認する証拠や事実はない」として無罪判決を言い渡した。
控訴審で検察側は一審での証拠に加え、被告の車にあった写真から被害者の一人と同じミトコンドリアDNAの型が出たとする鑑定結果を新証拠として提出。しかし福岡高裁は今月19日、これを有力視せず、捜査手続きの不備を指摘して検察側の控訴を棄却した。
http://www.asahi.com/national/update/0329/SEB200703290012.html