男性の説明や関係者によると、男性は04年、シンガポールの大手銀行に自分名義の口座を開設、同年に死去した父親から相続した遺産の現金約2億円を送金した。また、タックスヘイブンの英領バージン諸島に設立したペーパー会社名義の口座にも、父親の資産だった数億円を送金したという。
ペーパー会社の設立手続きはシンガポールの銀行が代行したとされる。
男性は、これらを証拠金にして、銀行の子会社で原油先物取引や外国為替証拠金取引などをしていた。自分名義で約2億7000万円、ペーパー会社名義で約5億円の運用益を、04年と05年に得ていたとみられる。ペーパー会社名義の口座の取引明細書は男性が管理していたという。
男性は「06年に入って大きく損をし、海外だからばれないと思って申告しなかった。反省している。個人名義については既に修正申告した」と話している。
ただ、ペーパー会社名義の口座で運用した分については「あくまで知人の会社で、自分はアドバイスをしていただけ。利益は自分のものではない」としている。
国税庁によると、昨年6月までの1年間に、海外での資産運用など海外投資をしている個人に対する税務調査は647件で、1件あたりの申告漏れ所得額は1329万円だった。
http://www.asahi.com/national/update/0329/TKY200703290234.html