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2007年03月29日(木) 12時01分

本店幹部にも直後に状況伝わる 北陸電力の臨界事故隠し朝日新聞

 北陸電力志賀(しか)原発1号機(石川県志賀町)の臨界事故隠しで、事故直後、本店の原子力担当の幹部に事故状況の一部が伝わっていたことがわかった。重大事故という認識はなく、役員には報告されなかったという。30日に同社が経済産業省原子力安全・保安院に提出する報告書では「隠蔽(いんぺい)への本店の直接関与はなかった」とする内容になるとみられる。

 同社によると、事故は99年6月18日午前2時18分に発生。制御棒3本が抜け落ち、臨界状態となった。緊急招集された所長や所長代理(現・常務)、次長らが事務建屋内の「緊急時対策室」で協議し、隠蔽を決めたという。

 同社が設置した事故調査対策委員会(委員長・永原功社長)が関係者に聞き取りをした結果、当時、対策室と本店を結ぶテレビカメラの映像などを通じて、本店の担当幹部にトラブルの一部が伝わっていたことが判明した。「原子炉内の計測データが異常を示したが、電気信号の乱れだった」とする内容で、臨界状態に陥ったことなどの報告はなかったという。

http://www.asahi.com/national/update/0329/OSK200703290037.html