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2007年03月29日(木) 03時00分

中心熱く、周辺冷たい銀河 赤外線衛星あかり検出朝日新聞

 中心部は500度を超える一方、周辺はマイナス200度以下の冷たいガスに覆われている——。そんな銀河もあることを、宇宙航空研究開発機構の赤外線観測衛星「あかり」が初めてとらえた。神奈川県平塚市で開催中の日本天文学会で、30日発表される。

銀河「UGC05101」の想像図。ブラックホールがある中心部は高温だが、周辺は冷たいガスで覆われている=宇宙機構提供

 宇宙機構の中川貴雄・教授らは、地球から5億5000万光年離れた銀河「UGC05101」に着目。放出エネルギーは太陽の1兆倍で、赤外線で見ると非常に明るいが、星間物質に遮られて中心の様子はこれまで、よくわからなかった。

 「あかり」で観測したところ、高温の一酸化炭素ガスと、非常に冷たい水や氷のガスが見つかった。分析の結果、銀河全体は冷たいガスに覆われているが、中心部に太陽の100万倍の質量のブラックホールがあって、周辺の物質をのみ込む際にエネルギーを出して高温になっているらしいと推定した。

http://www.asahi.com/national/update/0328/TKY200703280333.html