トヨタは昨年の春闘で5年ぶりに実質ベア1000円を復活したのに合わせ、昨年4月入社の社員の初任給を6年ぶりに引き上げた。引き上げ額は今年と同額。今春闘でも実質ベアを回答したことから「入社1年目と2年目の給与の差が広がるのは好ましくない」(トヨタ幹部)と判断した。
日米欧で燃費規制が強化される中、環境技術開発の競争が激化しており、国内自動車大手は優秀な人材を採用するため、初任給の引き上げが必要になっている。日産自動車もトヨタと同様、今年4月に入社する社員の初任給について、大卒で昨年より1000円多い月額20万2000円、高卒で500円多い同16万3000円に決めた。ホンダは検討中で6月に決める。
トヨタグループの主要部品メーカーのうち、デンソー、アイシン精機、豊田自動織機の3社は、昨年4月に入社した社員の初任給を引き上げた。今年4月入社分の初任給についても、アイシン精機は引き上げる方向で検討している。