駐機中のゴル航空の旅客機(保存写真)=ロイター
バリグ航空のカウンター=リオデジャネイロで28日、ロイター
バリグは1927年創業。かつては中南米最大の航空会社として、成田、名古屋線を含む多くの国際線を運航していたが、米同時多発テロ後の航空業界の不況などで経営が悪化。05年6月に破産を申請し、経営再建中だった。
01年に運航を始めたゴルはインターネットによる航空券販売などの経費削減で急成長してきた。今後もバリグの名とマイレージプログラムは維持するものの、国際線のファーストクラスをなくすなどゴル流の経営を導入して値下げを実現するとしている。
有力紙「フォーリャ・デ・サンパウロ」などによると、ブラジルの航空業界は今年2月現在、タム航空が国際線で61%、国内線で47%のシェアを誇る。ゴルは国際線で19%、国内線で40%でともに2位。バリグは国際線12%、国内線5%の3位に落ち込んでいた。
バリグをめぐっては、南米各国で路線を拡大しているチリのラン航空が今年1月、1700万ドル(約20億円)を出資し、巨大市場であるブラジル国内線への参入を狙った。だが、航空会社の外資による出資比率を20%までに制限するブラジルの法律に阻まれ、買収には至らなかった。