イランに拘束され、国営テレビ局のアラビア語放送に映された英海軍女性兵士=テヘランで28日、AP
映像でターニーさんは、黒いスカーフをかぶり、伏し目がちに「私たちは23日に拘束された。明らかにイランの水域に侵入してしまった。(イラン人は)非常に友好的で、なぜ拘束されたのか理由を説明し、非常に情け深かった」と語った。
同テレビは、英兵らを乗せて進むイラン国旗が飾られたボートの映像、制服姿のターニーさんや男性兵士らが食事をする映像、たばこを吸うスカーフ姿のターニーさんの姿を放送。ターニーさんが英国の家族にあてて書いた手紙の一部も紹介した。手紙でも「イランの人々におわびする」としている。
イランのモッタキ外相は28日、ロイター通信に、英兵15人のうち唯一の女性のターニーさんについては「できるだけ早く」解放されるとの見通しを語り、「英兵らはイラン領内にいた。英国政府はこれを認めなければならない。それが問題解決の始まりとなる」と述べた。また同外相はAP通信に対し、英国政府からの英兵への面会要求に同意していることを明らかにした。
一方、テレビの放送に対しベケット英外相は28日、「兵員への圧力を懸念する」として撮影にあたり強制があった疑いを指摘し、イラン政府を批判。改めて全員の即時解放を求めた。
ターニーさんは、同じ英海軍兵士の夫と3歳の一人娘モリーちゃんを英国に残し、イラク南部のペルシャ湾を巡回する駆逐艦に乗船。23日、イラン革命防衛隊に拘束されるわずか数時間前、従軍取材をしていたBBC記者のインタビューに応じていた。
28日に放映されたBBCの映像は、「仕事を続けることで娘が望むことを何でもかなえてあげたい」「娘には私の生き方を見つめることで、女性も家庭と仕事を両立しながら成長できることを知ってほしい」と軍服姿で語るターニーさんの様子を伝えている。