奥田民生CD「記念ライダー1号」と「記念ライダー2号」
ベンチャーズのサイト画面
奥田民生が1月に出した「記念ライダー1、2号」は、これまでのシングル19曲とファン投票による11曲を収録。オフコースの昨年の「i」もファン投票で曲を選んだ。小泉今日子、パフィー、ドリカム、松浦亜弥らのベストも同様だ。
邦楽だけではない。英国のプライマル・スクリームの04年の「シュート・スピード」は日本のファンによる投票結果をアーティスト側と協議して作った独自企画。ベンチャーズも5月末に出すベストの曲目を公式サイトで募集中だ。
今、音楽ファンはハードディスクの中に自分なりの「ベスト盤」を作ったり、CDに焼いたりして楽しんでいる。これらのベストCDは、いわばその最大公約数を商品にしたもの。多くはDVDなどのおまけ付きだ。「売れるのはベスト盤だけ」と言われて久しいレコード業界にとっては、ファン投票で作るベスト盤は手堅い商品だ。
一方、コロムビアが始めた「カスタマイズCD」のサービスは、CD店の専用端末で選んだ曲をその場でCD—Rにしてくれる。1曲2百円、10曲以上なら2000円均一になる。
試験サービスは金沢市の1店舗のみ。対象も木村カエラ、一青窈、中村雅俊ら同社のアーティストだけだが、今後サービス店を増やし、他社の協力も得てカタログを拡大したい考えだ。
「カスタマイズCD」は米国では小売り最大手ウォルマートなどで広く利用されているサービスだ。音楽配信などに縁の薄い客層をターゲットにしている。同社の山口英樹販売促進部長は「普通のCDは一定の需要がないとプレスできない。配信だとお客が店に足を運ばない。カスタマイズCDならメーカーもお店もメリットがある」という。