不二家は、経営再建を考える外部有識者で結成した「外部から不二家を変える改革委員会」後に会見。「朝ズバッ!」で指摘された「平塚工場で期限切れのチョコレートをパッケージを付け替えて再使用したこと」「売れ残りチョコレートを回収し、溶かして再製品化して出荷した」という2点について放送直後に「事実ではない」とTBSに指摘していたことを明かした。29日発売の「週刊文春」により表面化した。
同番組は「平塚工場の元従業員の証言」を元に構成された。この日午後、同問題について説明したTBSも、不適切な表現を認めた。「牛乳のような何かを注ぎ足した」という証言を「牛乳と断定したフリップで報道してしまい、正確性に欠いた」と説明。また、出演した複数の証言者が、10年以上前の従業員だったことを明かし「現在の従業員のように思わせたことは、説明不足で問題があった」とした。
ただし、不二家から指摘された2点については「元従業員の証言は具体性があり、証言内容も一貫して変わっていない。取材内容には信頼性を持っている」と、主張した。一方の不二家も今後、訴訟を起こすつもりはないという。不二家広報室は「私どもも洋菓子について不備があり、すべてに胸を張って言えるわけではないが、明らかに事実と異なる部分は修正をお願いしたいとTBSと話し合っている」。強気になりきれない胸中が見えてくる。
TBSも「人間!これでいいのだ」や「サンデージャポン」の不適切な放送内容で視聴者に誤解を与えたばかり。責任を取り月額報酬10%の返上を発表したばかりのTBS井上弘社長は、この日の会見で「史上最高の営業利益見込みで、ドラマなどで視聴率も好調。上げ潮ムードの中で、信頼を失墜するようなことはもったいない。教育、チェック体制も必死でやってるのですが…」と困惑していた。