鹿島港で昨年10月、中国の貨物船「オーシャン・ビクトリー」(オ号、8万8853トン)と、パナマ船籍の石炭輸送船「エリダエース」(エ号、8万5350トン)が座礁した事故で、横浜地方海難審判理事所は28日、横浜地方海難審判庁に審判開始を申し立てた。
審判庁が是正を勧告できる指定海難関係人に、オ号の董洪波(ドン・ホォン・ボ)船長(48)=中国国籍=、エ号のトリニダ・ジュニア・フェリーノ・サバド船長(47)=フィリピン国籍=、両船と傭船(よう・せん)契約を結んでいた第一中央汽船(東京都)の鹿島出張所長(49)、エ号の管理会社「三徳船舶」(大阪市)を指定した。
理事所は「両船長は、現場付近の気象情報を入手しなかった上、港外避難の時機を検討しなかった」と指摘している。
申立書によると、オ号は天候悪化のため港外へ避難しようとしたところ、昨年10月24日午後3時過ぎ、防波堤に衝突して座礁。エ号も沖合に出ようとしたが、同7時半、浅瀬に乗り上げた。乗組員計44人は救助された。当時は、風速25メートル前後の暴風雨だった。
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