インターネットの自殺サイトを通じて知り合った男女3人を相次いで殺害したとして殺人や死体遺棄などの罪に問われた無職の男の被告(38)の判決で大阪地裁は28日、「犯行は残忍、冷酷で非道。性癖は根深く改善は困難だ」として求刑通り死刑を言い渡した。
弁護側は、被告は善悪を判断して行動する能力が失われていたと主張していたが、水島和男裁判長は、犯行を用意周到に計画し証拠隠滅にも及んでいる点などを挙げて「完全責任能力があったことは明らかだ」と退けた。
弁護側は同日、判決を不服として控訴した。
判決理由で水島裁判長は、快楽目的で4カ月間に3人の命を奪った連続殺人で「結果は極めて重大」と指摘。「被害者らが心の弱みに付け込まれて地獄の責め苦を味わわされた恐怖、無念の情は察するに余りある」と述べた。
また、人が息を詰まらせて苦しむ姿に興奮するという性癖について「被告に非はなく不幸だ」と言及したが、遺族の処罰感情や犯行の残虐性などを考慮した上で「極刑をもって臨むほかない」と結論付けた。
判決によると、被告は2005年5月、自殺サイトに投稿した男子中学生=当時(14)=を「一緒に練炭自殺しよう」と誘い出し、大阪府和泉市の山中で鼻と口をふさいで窒息死させた。また2月に無職女性=同(25)、6月に男子大学生=同(21)=を同様に殺害し、遺体を捨てた。
被告は2月の結審時に「死刑の場合は半年以内に手続きを終えていただきたい」と陳述。関係者によると、控訴の場合は取り下げる意向を示していたという。
ZAKZAK 2007/03/28