記事登録
2007年03月28日(水) 16時11分

機内の携帯、喫煙…悪質行為はすぐ禁止命令 指針改正へ朝日新聞

 携帯電話の使用など航空機内での乗客による迷惑行為について、悪質な場合は一度の違反だけで機長が禁止命令を出せるようになる。国土交通省が今夏にも航空法に基づく安全阻害行為のガイドラインを改正する方針だ。現在は客室乗務員が口頭で注意し、再び違反を確認しないと禁止命令を出せないが、悪質、常習的な行為を早い段階で食い止めることが必要だと判断した。

 迷惑行為のうち処罰の対象となる安全阻害行為は、乗務員への暴言やセクハラ行為、禁じられた状況での携帯電話など電子機器の使用、指示されても座席ベルトを着けないなど8項目。禁止命令に従わないと、乗客は50万円以下の罰金を受ける。これらの行為について国交省に寄せられた報告は、04年が403件(うち命令21件)、05年368件(同20件)、06年383件(同24件)と高止まりしている。

 特に、乗務員が注意しても、機内で携帯電話を繰り返し使ったり、トイレで喫煙したあと吸い殻を水で流したりする悪質な事例が問題になっている。航空各社でつくる定期航空協会も、悪質な場合は注意を省略して禁止を命じられるよう要望していた。

 国交省は通信機能が付いた携帯ゲーム機(ニンテンドーDS、ソニーPSPなど)についても航空法の関係告示を見直し、機内では通信機能を常に使用禁止とする方針だ。発信される電波で航空機の操縦系統などが誤作動する恐れがあるという。

 現行制度では、電子ゲーム機は離着陸時だけ使用禁止で飛行中は使えるが、通信機能については触れていない。全日空や日本航空は既に、独自に通信機能の常時使用禁止を乗客に求めている。

http://www.asahi.com/national/update/0328/TKY200703280241.html