福岡を拠点に活動を続けるデザイナー集団「TORA」が、4月に伊ミラノで開かれる世界最大の家具見本市「ミラノサローネ」に出展することになった。「自分たちの作品の良さを世界にアピールしたい」と意気込んでいる。
TORAは、福岡デザイン専門学校(福岡市)のOBらで01年に作ったデザイナー集団。会員は19〜46歳の19人。「生活に彩りを与える空間作り」を目指し、流行にとらわれない家具デザインの研究を続けている。
これまでにも数々のコンペで受賞歴があり、04年には大川市の家具会社と連携して作った小物入れ用の棚が、福岡産業デザイン賞の大賞を受賞した。次に定めた狙いが「世界」だった。
ミラノサローネは、2千を超す個人や会社が出展する世界最大の家具の見本市。ここ数年は主会場のミラノ国際見本市会場だけでなく、市内全域で展示やイベントがあり、約30万人が訪れる。「家具のパリコレ」とも呼ばれ、出展した作品の傾向から次代の流行が作られていく。
なかでも40歳以下に限定した「サテリテ」部門は、新人の登竜門として知られ、世界中の若手デザイナーが出展を狙う場だ。TORAは初挑戦で、出展の機会を得ることができた。リーダーの中庭日出海さん(26)=同専門学校非常勤講師=は、「細部まで手の込んだ作品に仕上げたことが高く評価されたのではないか」と話す。
出展するのは、彼岸花をイメージした置き時計など3種類。いずれも独特の曲線が特徴で、「無機質な現在の家屋の空間を和らげる効果を狙った」という。5月16〜20日には、福岡市中央区今泉1丁目、カフェドアッシュでも作品が見られる。
http://mytown.asahi.com/fukuoka/news.php?k_id=41000000703280001