市はまた、労働者側から「市の職員が(居住実態のない)住民登録をあっせんしていた」と指摘されたのを受け、同区役所職員らに対する調査の中間まとめを公表した。86年度以降、住民登録の窓口業務などをしていた110人中、約7割にあたる74人が、居住実態がないことを知っていたか、疑惑をもっていたと回答した。しかし、「あっせんした」と答えた職員はいなかったという。
記者会見した柴崎克治・市民局長は「見過ごしてきたことは職場慣行として問題があった」と述べ、今後、処分も検討する考えを明らかにした。
市は当初、2日に削除を予定していたが、大阪高裁が1日、簡易宿泊所での登録を認める代替案の周知期間が不十分だとして、建設労働者の男性が住民票削除の停止を求めた仮処分申請を認めたため、延期していた。
柴崎局長は周知期間が十分だったかどうかについて、「限られた選択肢の中で、相当な期間と考えている」と話した。
一方、大阪地裁(西川知一郎裁判長)は28日未明、あいりん地区のビルに住民登録している日雇い労働者の男性(57)が市の削除停止を求めた仮処分申請を却下した。市側の長年にわたる黙認の事実を認めたうえで、「住民票制度や適正な選挙を犠牲にしても、削除を差し止めなければ正義に反するという特別な事情はない」と判断した。男性は即時抗告した。
http://www.asahi.com/national/update/0328/OSK200703280061.html