公取委によると、不当表示があったのは「パワード定期プラス」の3年物定期預金のチラシ。昨年8月中旬から10月下旬にかけて店頭で約5万枚配布された。
この商品は通常の定期預金よりは高金利だが、預入時に基準となる為替レートが予約され、満期時にそれより円安だと元本を円のまま、円高だと基準レートでドルに両替されて受け取る。ドルで受け取ると円換算で元本割れする可能性が高い。
基準レートは「預入時の為替レートと同水準」以外に「10円円高」のパターンなど3種類あったが、同水準の最も高い金利(年3.19%)しか表示していなかった。「10円円高」の場合は、年1.31%だった。
パワード定期プラスは05年7月から売り出され、2月末時点の預金残高は1817億円。問題のチラシが配られていた時期に3年物定期に115億円の預金があった。
公取委は、表示金利と実際に適用される可能性がある金利との差が大きいことに加え、人気商品で市場への影響も大きいとして排除命令に踏み切った。再発防止の社内体制を構築することなどを求めている。
新生銀行はすでにチラシを改訂し、現在は4種類の金利例を記載している。排除命令を受け、「お客様などにご迷惑をかけ深くおわび申し上げる」との談話を出した。同時に、消費者約200人に同行の広告を検査してもらう「広告モニター制度」を4月から導入すると発表した。