希望枠廃止について会見する根来泰周コミッショナー代行
希望枠については西武ライオンズのアマチュア選手への不正な金銭供与が明らかになって以来、アマチュア球界や労組日本プロ野球選手会を中心に撤廃の声が高まっていた。すでに08年ドラフト会議での撤廃は決まっていたが、今秋は現行通りに行く方向だった。
28日、根来代行は会見を開き、今秋ドラフトからの希望枠廃止案を出した理由について「各球団ともに希望枠を使わない旨の表明があったことを受けた」と語った。
希望枠の扱いについては、各球団の代表らが集まった21日の代表者会議で、今年から廃止すべきだという声が大勢を占めた。しかし、巨人が「選手の入団時の自由を奪うのだから、フリーエージェント(FA)短縮を同時に決めるべきだ」と主張したことから、FA制度を巡る各球団の思惑の違いがあり結論が出なかった。根来代行の「希望枠は来年から廃止で、新制度は来年3月をメドに話し合う。今年については、議論がかみ合わなければ、昨年と同じ方式で行う」という提案で一度はまとまった。
しかし、高校・大学・社会人の各アマチュア野球団体が猛抗議。ロッテの瀬戸山隆三・球団社長が「今年、希望入団枠が残っても使わない」と表明し、他のパ・リーグ球団や中日なども追随していた。
このほか、今秋のドラフト運営について仲裁案では、高校生と大学・社会人に分けたまま、1巡目は指名が重複した場合に抽選。2巡目以降は巡目ごとに下位、上位球団から順番に指名するウエーバー方式を基本として考える、としている。
来年以降については、根来代行を委員長とした委員会を作り、FA権取得年数の短縮などを絡めながら08年の開幕までに決める。アマ球界には、日本のプロ野球を経由せずに海外へ流出しないための措置を講じるよう要請することになった。