イスラエルのオルメルト首相とパレスチナ自治政府のアッバス議長の首脳会談は、昨年12月と今年2、3月に開かれた。ところが、今月17日に同議長の率いる穏健派ファタハとイスラム過激派ハマスの統一政権が発足した後、イスラエル政府は「(同国の存在を認めない)ハマスにファタハがすり寄った政権」だとして交渉を拒否。議長との会談の頻度も減らす可能性を警告していた。
ライス長官の訪問は今年に入って3度目で、先月は3者会談を開催。今回は長官と個別に首相と議長がそれぞれ会談しただけだった。首脳会談の定例化への同意を取り付けることで、かろうじて和平プロセス後退の印象を薄めた形だ。
イスラエル国内の報道によると、長官は当初、26日夜に開く予定だった記者会見で和平交渉再開の見通しを示したかった。だが、オルメルト首相が反対し、発表内容を変更して27日朝に延期されたという。