「震度6の地震があって、まだ余震が続いている。これは有事だ。そんなときにノー天気に野球をやるのはいかがなものか。『人口の少ない、遠くで起きたこと』という感覚なのだろう。政治家の感覚はズレている」
作家の麻生千晶氏はこう嘆く。
大会は日米友好親善とチャリティーが目的で、プロ野球OBによる小中学生対象の野球教室と、自民党議員チーム「リバティ83」対米国大使館チームの試合が組まれた。東京ドームのレンタル料約100万円は議員側と米国大使館側が折半。観客らからの寄付金は全額、「あしなが育英会」に寄付される。
ベンチで試合を見守る旧山古志村の元村長、長島忠美議員 昨年に続き2回目の今回は中川秀直幹事長も始球式に登場、先の新潟県中越地震で大きな被害にあった旧山古志村の元村長、長島忠美衆院議員も観戦した。
試合は序盤に米チームが先行し、先発の日本ハム・ヒルマン監督らが好投する展開。3回開始前には米側が用意したグラマラス美女チアリーダーのパフォーマンスもあり、ボルテージは最高潮に。結局、日本チームは終盤に粘りを見せて5−6まで肉薄したが、力尽きた。
参加者らは一様に満足げな様子だったが、「確かにこのタイミングはまずいよね」という声も。選手兼監督の亀岡偉民衆院議員は「義援金を送れるように、募金をお願いします」と語り、試合後に予定されていた懇親会をキャンセルしたことも明かした。
ただ、政治評論家の有馬晴海氏は「あらかじめ予定があって、試合をキャンセルできなかったという事実はある。しかし、自分の目で現場を見たり、もっと優先すべきことがあったと思う」と苦言を呈する。
一方、チームの代表兼オーナーでもある土屋正忠衆院議員は、「死者が出たとかそういう問題ではないが、たとえば新潟県中越地震のような被害が出ていたらやめていた。やるべき仕事をこなしてからきている。なんでも自粛すべきというものではない」と説明した。
【衆院議員】
赤池 誠章、 岡部 英明、 亀岡 偉民、 木原 誠二、 木原 稔
木挽 司、 近藤三津枝、 坂井 学、 菅原 一秀(当選2回)
平 将明、 高鳥 修一、 土屋 正忠、 土井 真樹、 長島 忠美
橋本 岳、 福田 良彦、 藤田 幹雄、 牧原 秀樹、 松本 文明
松本 洋平、 馬渡 龍治、 盛山 正仁、 若宮 健嗣
【参院議員】
松村 祥史、 山本 順三
=敬称略
ZAKZAK 2007/03/27