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2007年03月27日(火) 00時00分

家庭の行事 近づくと体調不良読売新聞

 50歳代主婦。私は家庭での行事などが近づくと、体調が悪くなります。特に私が重要なことをするわけではないのに、そうなります。

 昨年は、父の法事の2週間前から胃がムカムカして食事ができなくなり、3キロもやせてしまいました。検査をしましたが、異常はありません。法事が終わると自然に治りました。

 2人の子どもは独立し、他県で働いていますが、子どもたちが帰省するときも似たような状態になります。せっかく帰ってくるのだから、元気でいたいと思います。自分の子どもなのだから、思い悩むことはないはずなのに、体が反応しているようです。

 これって、病気なのでしょうか。薬に頼らず治したいのですが。

 アドバイスをお願いします。(山口・K子)

 「案じなくてもよいことをくよくよ悩む」のが慢性的に続いて生活に支障をきたすような場合、欧米の精神医学では「全般性不安障害」と診断されます。病名があるくらいだから、欧米にだってこれで困っている人は多いのだと思いますが、日本では古くから「心配性」というコトバがあって、この方がぴったりくる。

 心配性というのは自分が得しようとか、傷つくのが怖いとかではなく、とにかく家族や他の人に尽くしたい、良くしたいという思いでくよくよする場合が多い。その点、古き良き日本人の典型なんですが、考え方のクセなので案外直しにくいのです。

 私が勧める方法は、心配なことをノートに書き出し、どのように心配なのか、最悪何が起こると予想しているのかも書く。そして、そのことが終わってから、結果がどうだったかを続けて書く。結果はたいてい大過なく終わっていると思いますから、後で見返してみると「何だ。心配なかったんだ」と改めて確認できる。それを次に生かせば良いのです。つまりこれはあなたの「安心ノート」。即効性は無くても、根気良く続けることもポイントです。

 (野村 総一郎・精神科医)

http://www.yomiuri.co.jp/jinsei/shinshin/20070327sy41.htm