サッポロの新防衛策は、買収者以外の株主に新株予約権を割り当てるというもの。取締役会決議だけで導入した現行の防衛策と本質は変わらないが、株主総会で承認する意義がある。総会の出席株主の議決権の過半数の賛成が条件だが「油断できない」と、サッポロ関係者はいう。
スティールは、サッポロ株主に新防衛策に反対するよう書面を2回も送付。委任状集めも進めているからだ。
欧米の機関投資家に議決権行使をアドバイスする助言会社の判断も割れている。世界首位と2位の米国の助言会社は、反対に回った。
新防衛策が可決された場合、スティールとの間で神経戦が続く。スティールがしびれを切らし株式公開買い付け(TOB)に踏み切れば、サッポロは防衛策の発動で対抗。是非を巡って法廷闘争となる。
一方、否決の場合、サッポロは対抗措置を失う。スティールがTOBに動けば、サッポロが友好的な買収者(ホワイトナイト)探しに乗り出し、業界再編の機運が高まる可能性もある。