関係者によると、GSが三洋の最大の収益源である充電池事業の売却を求め、井植社長らが「三洋の解体につながる」と反発していた。GSは三洋の優先株を引き受ける形で1249億円の金融支援を実施し、普通株換算で議決権の約33%を握っている。大和証券SMBCと合わせると、約66%(普通株換算)に達する。金融機関側の意向に、井植社長らは抵抗しきれなかった。
井植社長は05年6月に就任した。父で前会長の井植敏最高顧問も退任する見通し。三洋電機は敏氏の父の井植歳男氏が創業した。井植社長の退任で、創業家は経営陣から退くことになる。今後、金融機関主導が一層強まりそうだ。
三洋の充電池事業は世界シェア1位を占める。電池事業は06年3月期連結決算で売上高約4200億円。部門別で最大となる360億円の営業利益を上げた。投資の利益を確保したいGSは売却を求めているが、三洋電機労組は27日、「コア事業の売却には断固反対する」との声明を出した。