毎年発表する「アジア開発展望」で示された。06年の域内GDP成長率は8.3%で、95年以降で最も高かった。07年、08年はやや減速するが、内需拡大や原油価格の低下によるインフレ抑制などを見込んで、それぞれ7.6%、7.7%の伸びを予測した。
中国の成長率は、06年の実績が10.7%、07年は10.0%の見通し。不動産投資などへの政府の抑制策が一定の効果を見せるとして「緩やかな減速」を見込む。
インドは06年の実績が9.2%、07年は8.0%の成長率を見込む。工業製品の輸出拡大などで成長が続く一方、農産品の急騰など構造改革を要する懸念材料があることも指摘した。
「展望」は、アジア途上国の堅調な成長の一方で、不動産や株式市場の高騰、物価高騰が続いていることを指摘。また、アジア途上国の労働人口のうち「約3割に当たる5億人以上が失業または不完全雇用の状態にある」として、所得格差などの問題への取り組みが急務としている。