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2007年03月27日(火) 11時24分

ソマリア難民ら百人が死亡・不明 密航業者が海に落とす朝日新聞

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は26日、暫定政府軍とイスラム勢力の交戦が激化しているアフリカ東部ソマリアからアラビア半島のイエメンへと船で逃れようとしたソマリア人らが船から海に落ち、29人が死亡、71人が行方不明になったと発表した。UNHCRが集めた目撃証言などによると、金をとって人びとをイエメンへ運ぶ密航業者が船上で乗客を無理やり海に落としたという。

 UNHCRによると、22日朝、密航業者がソマリア人やエチオピア人ら約450人を4隻の小型船でイエメンへ運ぶ途中のアデン湾で、乗客に海に飛び込むよう命じた。生存者の証言では、抵抗した人は棒で殴られたり、刃物で刺されたりしたという。

 アデン湾では、イエメンに逃れる難民が海上で死亡する事件が頻発している。難民流入を食い止めるためにイエメンの海上警備当局が密航船の取り締まりを強化したことから、捕まるのを避けようとする密航業者が海上で乗客を海に振り落として逃げるケースが増えているためだ。

 こうした死者・不明者は昨年1年間で約700人。今年は、今回の事件を含めて約260人にのぼっている。

http://www.asahi.com/international/update/0327/006.html