植木等さん
三重県の浄土真宗・常念寺の住職の息子で、小学6年で僧侶の修行のため東京に出る。音楽青年で東洋大卒業後、57年にハナ肇さんが結成した「クレージーキャッツ」に参加。61年にテレビのバラエティー番組「シャボン玉ホリデー」にグループで出演し、「お呼びでない」などのギャグが当たった。
この年、「わかっちゃいるけどやめられねえ」のフレーズで知られる、青島幸男さん作詞の「スーダラ節」が大ヒット。62年の映画「ニッポン無責任時代」(古沢憲吾監督)での「無責任男」は代名詞に。いい加減で底抜けに明るく、要領の良さだけで出世街道をゆくサラリーマンを演じ、時代の寵児(ちょうじ)になった。
70年代後半からは性格俳優に脱皮、85年に黒澤明監督の「乱」に出演。木下恵介監督「新・喜びも悲しみも幾歳月」などの演技で、87年に日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞した。著書に父の生き方を描いた「夢を食いつづけた男」がある。93年に紫綬褒章、99年に勲四等旭日小綬章を受けた。
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