現在、阪急側では、阪急交通社が旅行と貨物の両事業を担っているが、阪神側は、旅行は阪神電気鉄道の一部門である阪神航空、貨物は電鉄子会社の阪神エアカーゴが担当している。計画では、これらを四つの事業会社とし、来春をめどに新設する中間持ち株会社の傘下に収める。最終的には旅行、貨物の事業ごとに完全統合する。
貨物は、阪急が業界5位、阪神16位(2月の日本発取り扱い重量、航空貨物運送協会調べ)。合算すると西日本鉄道を抜いて4位に浮上するが上位3社との差は大きい。
旅行では、阪急4位、阪神30位台(05年度取扱額、国土交通省調べ)。合算しても4位(4059億円)のままだが、阪急には宝塚歌劇、阪神にはタイガースという、一定の固定客を動員できるコンテンツがあり、既に始まっている相互活用がさらに進みそうだ。
ビル管理では、それぞれの電鉄子会社である阪急ファシリティーズと阪神エンジニアリングを07年度中に統合し、物件の管理を一元的に担う。
昨年10月に統合したホテル、今年10月に統合する百貨店も含めて主要事業の再編策がほぼ出そろった。バス事業の統合が残るが、阪神側の労働組合の理解を得るのに時間を要している。