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2007年03月26日(月) 06時48分

阪急阪神HD、森組株を長谷工に売却朝日新聞

 阪急阪神ホールディングス(HD)は、経営再建中の中堅ゼネコン、森組(大阪市、大証2部上場)の保有株式を長谷工コーポレーションに売却する方針を固めた。議決権ベースの保有比率を38%から20%未満に引き下げ、連結対象から外す。同HDは経営統合を機に事業見直しを加速させており、本業外への関与を縮小する。

 森組は公共事業のほか同HDのグループ施設の建設も担っており、06年3月期の連結売上高は447億円、当期利益4億円。

 ただ、公共事業の縮小、談合事件摘発の影響から価格競争は激しさを増しており、07年3月期は約6億円の当期赤字の見通し。同HDは、今後も経営環境の急速な好転は難しいと判断した。

 一方の長谷工コーポレーションは05年に金融支援を受けるなどして経営再建を進めてきたが、最近のマンションブームを追い風に業績が好転している。07年3月期は450億円の当期黒字の見通し。森組株購入により、事業拡大を図る。

 阪急阪神HDが売却する株数や価格は不明だが、23日の終値は95円で、時価総額は約30億円。売却価格は数億円〜十数億円とみられる。

 同HDの前身の阪急電鉄は90年、沿線開発に伴う利益を確保しようと森組の筆頭株主になった。社長を送り込み、経営が傾いた後も無利子融資や債権放棄などで経営を支えつつ、水面下で売却を模索してきた。

 同HDは阪神電気鉄道株の公開買い付け(TOB)に約2500億円を投じた結果、有利子負債は1兆2000億円余まで膨らんでおり、株式売却益は負債圧縮にも貢献する。

http://www.asahi.com/business/update/0326/026.html