自民党は罰則規定を撤回する代わりに、公務員の運動を規制するための新たな策を公明党に提案した。両党はこれまで、国家公務員法と地方公務員法が定める「政治的行為の制限」は「国民投票には適用しない」ことで合意していたが、自民の新たな提案では、この方針を転換。「適用を除外する」と明記した条文を国民投票法案から削ったうえで、3年以内に「政治的行為」への規制のあり方を検討することを同法案の付則に書き込むとの内容で、公明党も大筋で受け入れた。
公務員による憲法改正をめぐる運動については両党のこれまでの実務者協議では、民主党の意向もくんで、公務員と教育者の「地位利用」による運動に刑事罰は設けないことで合意していた。
だが、民主党との共同修正案提出が不調に終わり、自民党内では中川昭一政調会長らから「公務員による運動への規制を強めるべきだ」との異論が出た。26日の党国民投票法特命委員会でも「自治労や日教組に、改憲反対で自由に活動させるわけにいかない」といった意見が相次いだ。
これを受けた同党役員会では、中川秀直幹事長が、これまでの3党協議の積み重ねを尊重する公明党の意向をくむべきだとの考えを表明。3年以内に「規制」のあり方を検討することで、中川政調会長らも受け入れた。